公開日誌

後悔はしませんし、させません・・

窓ガラス

今日は、最近知り合った彼とデート。最初にあったときは、常連さんのお友達ですごいやさしかったのを覚えている。その時はさえない髪型だったけど、今日はすごいキメてきてる。

 

「ありがとね。今日は。」

サラはジョンに話しかけたが、口から出た言葉に後悔する。こんなのデート終わりの別れ際に言うやつではないか。今からドライブというのに、、、

沈黙が続くのがつらい。

 

ジョンは突然話しかけられて驚いた様子で

「こちらこそ来てくれてありがとう。」

前方からは目を離さないが、優しさは伝わってくる。

 

こういう時に何を話していいのかがわからない自分に苛立ちを覚える。

それにしてもジョンの服は普通だった。髪型はかっこいいのに、いつもスーツだからか、おしゃれとはいいがたい。

今度服でも選んであげようか。それとも今日にしようか。彼は、今日の予定をしっかり教えてくれない。私を楽しませるためだろうから、乗っかっておくのがいいのよね。

 

無難に質問でもしてみようか。

「そういえば、普段家では何をされているんですか。」

 

車は高速に入った。

 

「普段は年の離れた妹がいるので、一緒に遊んであげているんですよ。」

 

ジョンは公園に行ったり、映画を見たりすることなどと、楽しそうに話す。彼が妹の話をすると言葉が尽きないようだ。

サラは、彼のやさしさがどこからきているのかを悟った。事実さらにも姉がいた。しかし大きくなるにつれ会話は少なくなり、最近話したのはいつなのだろうか。もう一度幼く無邪気だったころに戻ってほしい。

こんな風に妹思いのジョンを見て、羨ましさともにこの人と一緒なら大丈夫なのではないかと希望も持ち始めていた。

 

「妹さんは幸せそうですね。」

そんなことはないと、否定する彼も少し嬉しそうだ。

 

今日は晴れた、すがすがしい陽気で見えてきた山がとても美しい。思わず、安物の一眼を取り出した。これは高校のころ家族にもらった思い出の詰まったカメラ。遠くに行くときはいつも持っていく。家族に見せてあげるために。

 

車の中からとる富士山は、いつもとは違う構図になっていてとても美しい。